平成ライダー随一の人気を誇る、仮面ライダーW
Vシネマが制作されたり、その後も映画に本人が出演したり、漫画で続編が発表されていたりと、今もその世界観は広がっています。
そんな中でWの世界観を更に補完する小説版が発売されています。
それが今回ご紹介する『小説 仮面ライダーW 〜Zを継ぐもの〜』です。
あらすじ
Zを継ぐもの
ある日、翔太郎が風邪によりダウンしてしまう。
そんなとき鳴海探偵事務所に大企業ZENONグループの御曹司・禅空寺香澄が現れ、身の回りに起こる不可解な現象を解決してほしいと依頼する。
しかし彼女は訪れた際、偶然机に腰掛けていたフィリップを『左翔太郎』であると勘違いし、探偵に見えないその外見に依頼を断ろうとする。
フィリップは彼女の態度が鼻に付き、左翔太郎に成りきり依頼を受けることに。
こうしてフィリップ初の、探偵としての依頼解決が始まった。
BとYの間
小説版の舞台となるのはTVシリーズ32話と33話の間。
サイクロンジョーカーエクストリームが初登場した直後です。
執筆しているのは脚本家の三条陸氏であるためか話の時系列がしっかりしており、矛盾が無い作りになっています。
そして32話の直後だからなのか、翔太郎のセリフ「Wが務まらない俺には探偵しかねえ」が小説内でも登場し、フィリップを励ます言葉にもなっています。
…にしてのこの頃の翔太郎は変身できなくなったり(31〜32話)、人生最大級の風邪をひいたり、昨日と同じ行動をさせられたり(33話)と散々だ。
今回は風邪で倒れた翔太郎に代わり、フィリップが事件解決のために走るという立ち回りに。
そのため話の視点は常にフィリップで、小説内の一人称も「僕」で統一。
フィリップが何を考え行動し作中時間ではどのような心情だったのか、そして劇中で登場するアイテムについての説明もされているため、TVシリーズを補完するような作りにもなっています。
仮面ライダーサイクロン
風邪が悪化しついに変身できなくなるほど昏睡する翔太郎、ある人物からロストドライバーを受け取りついにフィリップが一人で仮面ライダーに変身します。
その名も仮面ライダーサイクロン
仮面ライダージョーカーがいるならサイクロンも設定上できるはず!という放送当時のファンたちの妄想が実現しました。
もちろんサイクロンジョーカーやファングジョーカー、エクストリーム、そして仮面ライダーアクセルも活躍します。
そして小説のタイトル『Zを継ぐもの』
TVシリーズで使われていなかったアルファベットのZが使われており、もちろん登場するドーパントのメモリもZ。
この「Zを継ぐ者」というサブタイトルが色々な意味を指すダブルミーニングやトリプルミーニングになっています。
仮面ライダーW本編のときと同じですね。
どんなドーパントがフィリップ達を追い詰めるのか、それは読んでからのお楽しみです。
この小説版は1〜2日でサクサク読み終えてしまうボリューム感で、話も2つに区切られているなどTVシリーズを彷彿とさせるような流れになっています。
TVに登場する主要人物がほぼ登場するので、話の内容もイメージしやすく本を読むのが苦手な方にもおすすめです。
TVシリーズ途中の話にあたるので仮面ライダーWを最低でも32話まで観ておくことが前提の作りになっていますので、そのあたりはご注意ください。
ちなみに仮面ライダーW本編はAmazon Primeに入会すると劇場版までの全作品を見ることができるので、こちらもぜひ。
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